コルゲートと聞いて、あなたは何を思い浮かべますか?
歯磨き粉や歯ブラシなどのオーラルケア製品でしょうか。実は、コルゲートはそれだけではありません。石鹸や洗剤、ペットフードなどの生活必需品も手がける世界的なメーカーなのです。
コルゲートは、181年の歴史を持ち、200カ国以上で製品を販売しています。また、株主に対しても優しく、59年連続で増配を続ける配当貴族指数にも選ばれています。
しかし、コルゲートの株価は割安なのでしょうか?業績は安定しているのでしょうか?減配のリスクはないのでしょうか?この記事では、コルゲートの銘柄分析を行い、その魅力について解説します。コルゲートの株式投資に興味のある方は、ぜひ最後までお読みください。
①コルゲートの事業内容
コルゲートは、歯磨き粉や歯ブラシなどの口腔衛生用品をはじめ、石鹸やシャンプー、ボディローションなどのパーソナルケア製品、ペットフードやペット用品などのペットケア製品を製造・販売する一般消費財メーカーです。
コルゲートは、1806年にニューヨークで石鹸工場として創業し、1873年に歯磨き粉の製造を開始しました。
現在は、200以上の国と地域で事業を展開し、世界シェアの約40%を占める歯磨き粉のトップブランドとなっています。コルゲートは、歯科医や研究者と協力して、口腔衛生の向上に貢献する製品や技術を開発しており、歯周病や虫歯の予防、歯の美白や感度の改善など、さまざまなニーズに応える歯磨き粉を提供しています。
また、ペットケア製品では、ヒルズというブランドで、ペットの健康や栄養に配慮した高品質なペットフードを販売しています。
②銘柄の基本データ
コルゲートの銘柄コードは、NYSEでCLです。
2023年12月期の決算では、
*売上高;161億ドル(約1兆7,500億円)
*純利益;24億ドル(約2,600億円)
*1株当たり利益(EPS);2.78ドル(約300円)
となりました。
2024年2月9日の終値は83.46ドル(約9,000円)で、時価総額は約6,870億ドル(約74兆円)です。過去1年間の株価の最高値は86.14ドル(約9,300円)、最安値は67.62ドル(約7,300円)です。
実績ベースの株価収益率(PER)は30.02倍、株価純資産倍率(PBR)は112.78倍です。コルゲートは、連続増配の配当貴族としても知られており、2023年には59年連続で増配を達成しました⁹。2024年2月9日時点の年間配当は1.80ドル(約200円)で、配当利回りは2.16%です。
③競合他社に対する強みと将来性
コルゲートの主な競合他社は、プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)、ユニリーバ、ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)などの大手一般消費財メーカーです。
これらの企業は、コルゲートと同様に、口腔衛生用品やパーソナルケア製品、ペットケア製品などの多様な製品を提供しており、世界各地で市場シェアを争っています。
コルゲートの強みは、歯磨き粉の分野での圧倒的なブランド力と技術力です。コルゲートは、歯磨き粉の市場で世界第1位のシェアを持ち、特にアジアやラテンアメリカなどの新興市場で高い人気を誇っています。
また、歯科医や研究者との連携を強化し、口腔衛生の向上に貢献する製品や技術を開発しており、歯周病や虫歯の予防、歯の美白や感度の改善など、さまざまなニーズに応える歯磨き粉を提供しています。このように、歯磨き粉の分野でのリーダーシップを維持しつつ、他の製品カテゴリーでも成長を目指しています。
コルゲートとP&Gの2020年の主要な財務指標を以下の表にまとめました。
指標 | コルゲート | P&G |
売上高(億ドル) | 157 | 709 |
売上高成長率(%) | 5.3 | 4.8 |
純利益(億ドル) | 26 | 130 |
純利益率(%) | 16.6 | 18.4 |
1株当たり利益(EPS)(ドル) | 3.13 | 5.12 |
EPS成長率(%) | 9.4 | 13.0 |
配当(ドル) | 1.76 | 3.16 |
配当利回り(%) | 2.1 | 2.3 |
PER(倍) | 24.8 | 25.9 |
ROE(%) | 101.8 | 29.7 |
ROA(%) | 18.9 | 12.2 |
表から分かるように、コルゲートとP&Gは、売上高や純利益、EPSなどの絶対的な規模ではP&Gの方が圧倒的に大きいですが、売上高成長率やEPS成長率などの相対的な指標ではコルゲートの方が優れています。
また、コルゲートは、P&Gよりも高いROEやROAを示しており、資本効率や資産効率が高いことがわかります。これは、コルゲートが自己資本比率が低く、負債を多く抱えていることによるものです。コルゲートの自己資本比率は約-15%で、債務超過の状態にあります。これは、コルゲートが自社株買いや配当支払いなどの株主還元を積極的に行っていることの反映です。
コルゲートは、パーソナルケア製品では、自然由来の成分や環境に配慮した製品を展開し、消費者の健康やサステナビリティへの関心に応えています。ペットケア製品では、ヒルズというブランドで、ペットの健康や栄養に配慮した高品質なペットフードを販売しており、特に療法食やプレミアムフードの分野で高いシェアを持っています。コルゲートは、新型コロナウイルスの影響で、口腔衛生用品やパーソナルケア製品の需要が減少した一方で、ペットケア製品の需要が増加したことを受けて、事業ポートフォリオのバランスを見直し、ペットケア製品の事業拡大に注力しています。
まとめ
コルゲートは、今後も、歯磨き粉の分野での優位性を維持しつつ、他の製品カテゴリーでもイノベーションやブランド力の強化を図り、競合他社に対する強みと将来性を高めていくと考えられます。
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