【2025版】マクドナルド株は買い?2025年の戦略と将来性

金融

2025年に入り、米国のマクドナルド(NYSE: MCD)は業績に陰りが見え始めました。ですが同時に、新たな戦略や成長市場での展開が期待されており、投資タイミングとして注目されています。

なぜ今この銘柄の分析を行うのか

2025年、マクドナルドは米国内の売上不振に直面しています。第1四半期の決算では、米国の既存店売上が前年同期比で約3.6%の減少と、消費者の「価格に対する敏感さ」が如実に現れる結果となりました。これまでの強気な価格戦略が通用しなくなりつつある中、マクドナルドは新たな施策として「$5 Meal Deal」などの価格訴求型プロモーションを再導入。さらに、グローバル市場への積極展開やデジタル施策強化によって反転攻勢を狙っています。

投資家目線では、株価が調整局面にある今こそが中長期での仕込みどきとの声も多く、ゴールドマン・サックスやUBSといった大手機関もポジティブな目標株価を示しています。


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銘柄の企業概要

マクドナルド・コーポレーション(McDonald’s Corporation)は、1940年に米国で創業された世界最大級のファストフードチェーンです。現在は119カ国で約42,000店舗を展開し、その約95%はフランチャイズ方式により運営されています。

  • 本社:イリノイ州シカゴ

  • CEO:クリス・ケンプチンスキー

  • 2023年売上:約254.9億ドル

  • 2023年純利益:約84.7億ドル

  • 配当利回り:約2.3%(2025年7月時点)


事業内容と業界動向

マクドナルドは、主にハンバーガー、チキン、フライドポテト、コーヒーなどを提供し、手軽さとスピードを武器に世界中の消費者に親しまれています。フランチャイズモデルにより、キャッシュフローの安定性を保ちながら、各地域に適したサービスを展開しています。

しかし近年、ファストフード業界は以下のような構造的変化を迎えています。

  • 消費者の健康志向・高品質志向の高まり

  • ChipotleやShake Shackなど、ファストカジュアル業態の台頭

  • インフレによる食材・人件費の高騰

  • モバイル注文、デリバリー対応などデジタル化の急加速

マクドナルドは、これらのトレンドに対応するために、店舗でのデジタルキオスク導入や、アプリによるロイヤリティプログラム強化、配達サービス提携を進めています。


SWOT分析(強み・弱み・機会・脅威)

マクドナルドの現状をSWOT分析で整理すると、以下のようになります。

強み(Strengths)

  • 世界的ブランドと認知度

  • 高収益なフランチャイズモデル

  • モバイル注文・デジタル化の先進性

弱み(Weaknesses)

  • 消費者離れを招いた価格戦略

  • 高い財務レバレッジ(過去の自社株買いの影響)

  • メニューの柔軟性が低く、健康志向にやや弱い

機会(Opportunities)

  • 新興国での中間層増加と店舗展開

  • デリバリー市場の成長

  • ロイヤリティプログラムの活用による再来店率向上

脅威(Threats)

  • チポトレやスターバックス等との激しい競争

  • インフレや賃金上昇による利益圧迫

  • ESG対応の遅れや法規制強化リスク


競合他社との主要な財務指標比較

マクドナルドと主要競合の財務指標を比べると、以下の通りです。

企業名 売上成長率(2025Q1) 同店売上成長 予想PER(2025年)
マクドナルド(MCD) ▲1.0%(米国:▲3.6%) マイナス 約26倍
チポトレ(CMG) +3.5%前後 微減 約43〜46倍
スターバックス(SBUX) 低調 マイナス 約22〜25倍

※PER(株価収益率)は投資家の期待感の指標とも言えるが、マクドナルドは成熟企業ゆえ比較的割安水準。


QSRセクター比較

QSR(Quick Service Restaurant)業界全体は、消費者の価格感応度の上昇とコスト高騰により、収益性の維持が難しくなっています。マクドナルドはその中でも以下の点で優位性を保っています。

  • 全世界での店舗数と知名度に基づくスケールメリット

  • 安定的なフランチャイズ収益モデル

  • 配当志向の強さと投資家への還元姿勢(連続増配記録)

一方で、ChipotleやShake Shackなどは「価格が高くても品質に価値あり」とする消費者を取り込んでおり、セクター内でのポジショニングの違いが際立っています。

企業名 主なブランド 業態 配当利回り PER(予想) 成長戦略
マクドナルド
(MCD)
McDonald’s ファストフード 約2.3% 約26倍 バリューメニュー再構築、海外出店、デジタル強化
チポトレ
(CMG)
Chipotle Mexican Grill ファストカジュアル なし 約43〜46倍 健康志向、価格より品質重視、デジタル注文強化
スターバックス
(SBUX)
Starbucks カフェチェーン 約2.2% 約22〜25倍 高価格戦略、ロイヤリティプログラム強化
ヤム・ブランズ
(YUM)
KFC, Taco Bell, Pizza Hut ファストフード 約2.0% 約23〜27倍 グローバル展開、デジタルオーダー強化
ドミノ・ピザ
(DPZ)
Domino’s Pizza デリバリーピザ 約1.2% 約25〜28倍 デリバリー強化、IT活用による効率化

今後の戦略と展望の分析

マクドナルドは、2025年後半にかけて以下のような戦略で業績回復を狙っています。

  • バリューメニューの再構築:「$5 Meal Deal」に代表される安価で満足感のあるメニューを再投入し、価格離れした顧客の呼び戻しを図る。

  • デジタル施策の拡充:アプリ経由の注文やモバイルクーポン、ロイヤルティ特典を活用し、再来店率の向上を目指す。

  • グローバル展開の加速:中東・アジア・中南米を中心に、2027年までに世界で50,000店舗体制を目指す。

  • ESG・サステナビリティ強化:森林破壊ゼロ方針や再生可能エネルギーの活用など、長期的な信頼性確保を進める。

これらの施策は短期的な客数回復だけでなく、長期視点での競争力の再構築にもつながります。


投資家にとってのメリットとリスク

マクドナルド株に投資する際のポイントは以下の通りです。

メリット:

  • 世界中でブランドが浸透しており、事業継続性が高い

  • ディフェンシブ銘柄として不況下でも相対的に安定

  • 高配当利回りと連続増配という株主還元

リスク:

  • 米国市場での売上減少が長引くと、成長鈍化リスクに

  • インフレや最低賃金引き上げが利益を圧迫

  • ファストカジュアルとの競争激化


まとめ

マクドナルドは、価格戦略の転換期を迎えながらも、グローバルでの展開力と高いブランド認知を背景に、安定成長の基盤を維持しています。2025年前半はやや調整局面にありますが、投資家視点では

  • 値ごろな水準でのエントリー機会

  • 高い配当利回りと安定キャッシュフロー

  • デジタル戦略と新興国成長のポテンシャル

といった魅力を持ち合わせた銘柄です。今後の値動きは、Q2〜Q3での回復トレンドが確認できるかが焦点となるでしょう。

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