「いまの仕事/なりたい職種」から逆算すると答えはシンプルです。
いま案件で触れる可能性が最も高いクラウド→そのロールの“入門→実務→設計”の順で積み上げるのが最短です。
本記事では、最新の試験コードに沿って未経験〜中級者向けのステップを提示します。
まず結論:あなたはどっちから?(5タイプ早見表)
| タイプ | 現状/狙い | 先に取るべき | 最短3ステップ |
|---|---|---|---|
| 未経験〜情シス/社内SE | 社内クラウド運用の基礎を作る | Azure(Microsoft 365/ADと親和高) | AZ-900 → AZ-104 → AZ-305 |
| Web/アプリ開発者 | サーバレス/モダン開発に寄せたい | AWS | CLF-C02 → DVA-C02 → SAA-C03 |
| インフラ/ネットワーク | IaC+可用性設計でレベルアップ | AWS or Azure(配属に合わせる) | AWS: CLF-C02 → SAA-C03 → SAP-C03 / Azure: AZ-900 → AZ-104 → AZ-305 |
| データエンジニア | データ基盤〜Lakehouseまで | AWS→Azureの順で幅を取る | CLF-C02 → DEA-C01 → SAA-C03 → DP-203 → DP-600 |
| AI/生成AIに関心 | アプリ実装×MLOps/AIサービス | どちらでもOK(案件優先) | AWS: CLF-C02 → (MLA-C01 or MLS-C02) / Azure: AI-900 → AI-102 |
判断軸は「配属・既存システム・顧客の標準」。迷ったら今いちばん触れる確率が高い方から始め、土台ができたらもう一方を“橋渡し”で追加するのがコスパ最強です。
Azure vs AWS:資格体系と役割の違い(対応表)
どちらも「基礎 → アソシエイト/ロール別 → 上位(設計/専門)」の三層構造。役割対応を下表にまとめます。
| ロール/スキル | Azure(試験コード) | AWS(試験コード) | 補足 |
|---|---|---|---|
| クラウド基礎 | AZ-900 | CLF-C02 | 全員の入口。SLA/IaC/課金概念を固める |
| 管理/運用(インフラ) | AZ-104 | SOA-C02 | ID/ネットワーク/監視の実務スキル |
| アプリ開発 | AZ-204 | DVA-C02 | Functions/Lambda、PaaS、CI/CD |
| アーキテクト | AZ-305 | SAA-C03 → SAP-C03 | 可用性/コスト/セキュリティの最適化 |
| データエンジニア | DP-203、DP-600 | DEA-C01 | Fabric(DP-600)とLake Formation/Glueの対比 |
| セキュリティ | AZ-500、SC-900/200/300 | SCS-C02 | 設計と運用(SIEM/ID、暗号/監査)の棲み分け |
| ネットワーク | AZ-700 | ANS-C01(上位) | ハブ&スポーク/Transit Gateway 等 |
| AI/機械学習 | AI-900、AI-102 | MLA-C01(Associate)/MLS-C02(Specialty) | アプリ実装寄りか、ML基盤寄りかで選択 |
キャリア別おすすめ資格ロードマップ
未経験/情シス・社内SE
- Azure: AZ-900(基礎)
- Azure: AZ-104(運用)
- Azure: AZ-305(設計) → 余力が出たら AWS: CLF-C02→SAA-C03
アプリ開発(バックエンド/フロント+API)
- AWS: CLF-C02
- AWS: DVA-C02(サーバレス/イベント駆動)
- AWS: SAA-C03(設計) → Azure併用なら AZ-204→AZ-305
インフラ/SRE(ネットワーク/可用性/コスト最適化)
- AWS: CLF-C02
- AWS: SAA-C03
- AWS: SAP-C03 または ANS-C01 → Azure側に展開するなら AZ-104→AZ-305
データエンジニア(ETL/湖/BI/Fabric)
- AWS: CLF-C02
- AWS: DEA-C01(Associateのデータ基盤)
- Azure: DP-203(Data Engineer Associate)→ DP-600(Fabric Analytics Engineer)
セキュリティ(クラウドセキュリティ/ゼロトラスト)
- Azure: SC-900 or AZ-900(土台)
- Azure: AZ-500(Security Engineer)
- AWS: SCS-C02(Security Specialty)でマルチクラウド対応
AI/生成AI(アプリ×AI or MLOps)
- アプリ×AI志向:Azure AI-900 → AI-102/AWSはアプリ基盤側で DVA-C02 or SAA-C03
- MLOps/基盤志向:AWS MLA-C01(Associate)→ MLS-C02(Specialty)/Azureは DP-203+AI-102
両刀使いの順番と併用戦略
- 片側で“設計レベル”まで到達(AZ-305 or SAA-C03/SAP-C03)
- もう片側で“運用/開発レベル”を高速取得(AZ-104/AZ-204 or SOA-C02/DVA-C02)
- 共通言語=Well-Architectedとコスト最適化の観点で横展開(タグ設計、IaC、監視)
履歴書上は「主戦場1つ+補完1つ」が最も訴求。案件提案でも“比較しながら最適案を出せる”人材として評価されます。
学習時間の目安・教材の選び方
| レベル | 代表試験 | 学習時間の目安 | コツ |
|---|---|---|---|
| 基礎 | AZ-900 / CLF-C02 | 20〜40時間 | 公式Learn/Skill Builder+模試1〜2回 |
| 実務(Associate) | AZ-104 / AZ-204 / SAA-C03 / DVA-C02 / DEA-C01 | 60〜120時間 | ハンズオン比率を高める(小さく作って壊す) |
| 設計/専門 | AZ-305 / SAP-C03 / SCS-C02 / DP-600 など | 120〜200時間 | 模試は弱点発見ツール、白書/設計指針の精読 |
公式の試験ガイド/学習パスは必読。名称や出題範囲は定期的に更新されるため、必ず最新ガイドで確認しましょう。
よくある質問
Q. 日本で有利なのはどっち?
A. 案件次第です。現場の標準・上長/顧客の採用クラウドに合わせるのが最短。迷う場合はAzure(社内基盤親和)→AWS(開発/スケール)の順が潰しが効きます。
Q. 片側だけでは不利?
A. まずは片側で設計レベルを証明できると強いです。その後、もう一方を運用/開発レベルで広げると提案幅が一気に増えます。
Q. 最新の試験コードは?
A. 代表例:
Azureは AZ-900/AZ-104/AZ-305/DP-203/DP-600/AI-102 等。
AWSは CLF-C02/SAA-C03/DVA-C02/SOA-C02/SAP-C03/DEA-C01 等(AIは MLA-C01/MLS-C02)。
※必ず公式の試験ガイドで最新化をチェックしてください。


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