【初心者向け】CAGR:意味・計算式を超やさしく解説

金融
投資の成績や企業の成長を、シンプルな“年率”で比べたい――そんなときに便利なのがCAGR(年平均成長率)です。この記事では、意味・計算式・使い方・注意点を初心者向けにやさしく整理します。
CAGR(年平均成長率)とは、ある期間のはじめとおわりをもとに、毎年同じ割合で増えたと仮定した年率のこと。計算式は CAGR = (終値 / 初値)^(1/年数) − 1 です。

スポンサーリンク

CAGRとは?【結論:はじめとおわりを年率に言い直す】

CAGRは、1年ごとのアップダウンをならして、期間トータルの伸びを直感的な“年率”で表す指標です。だから、商品や企業どうしの横並び比較に強いのが特長です。
  • 難しい統計は不要:始点・終点・年数があればOK
  • 複利ベース:実際の資産増加の感覚に近い
  • 長期評価向き:短期のノイズを受けにくい(年ごとのアップダウンに振り回されない)
  • 投資でも、企業の売上・利益の成長でも、横並び比較がしやすい
  • 「10年で年何%で増えてきたのか?」が一発でわかる

CAGRの計算式と具体例(Excel/スプレッドシート対応)

基本式:CAGR = (終点 / 始点)^(1/年数) − 1
// Excel / Googleスプレッドシート
=POWER(終点/始点, 1/年数)-1

// 例:100万円→150万円を5年
=POWER(1.5, 1/5)-1    // 0.0845 = 8.45%
  • 100 → 180(6年):CAGR ≈ 10.29%
  • 100 → 200(10年):CAGR ≈ 7.18%(10年で倍は年7%ちょい)
  • 10 → 15(3年):CAGR ≈ 14.47%
  • 100 → 120(5年):CAGR ≈ 3.71%
72の法則(暗算の目安):倍になる年数 ≒ 72 ÷ 年率(%)。例えば7%なら約10年、10%なら約7年で倍。

なぜCAGRを見るの?—投資・企業分析・家計での活用

  • 投資の成績比較:指数・ETF・個別株の10年トータルリターンCAGRを横並び
  • 企業の成長力:売上CAGR・EPS(1株利益)CAGR・顧客数CAGRで多面的に把握
  • 家計・資産形成:目標額から必要CAGRを逆算して、積立額やリスク配分を設計

初心者がやりがちなミスと回避策(配当込み・期間の公平性)

  • ボラティリティを無視:CAGRは道中のブレを隠す → ボラや最大ドローダウンも併記
  • 始点・終点の恣意性:暴落直後/バブル期は見栄えが偏る → 期間は公平に揃える
  • 配当を含めない:価格だけのCAGRは控えめに出がち → 配当再投資込み(トータルリターンCAGR)で比較

CAGRとIRR/平均リターンのちがい(サクッと比較)

  • 算術平均リターン:年次の平均。ボラが大きいと実感と乖離
  • CAGR(幾何平均):複利の実態に沿う“等価年率”
  • IRR/XIRR:入出金のタイミングを反映。積立投資やプロジェクト評価に最適

早見表:年率と“倍になる年数”(72の法則)

年率 倍になる目安
3% 約24年
5% 約14年
7% 約10年
10% 約7年

よくある質問(FAQ)

  • Q. CAGRは初心者にも必要? A. はい。長期比較や目標設計の“共通言語”として最有力。道中のブレをならして全体像を掴めます。
  • Q. 計算式と暗算のコツは? A. CAGR=(終点/始点)^(1/年数)−1。暗算は「72の法則」(72÷年率≒倍の年数)。
  • Q. Excel/スプレッドシートでの式は? A. =POWER(終点/始点, 1/年数)-1 を使います。例:=POWER(1.5,1/5)-1 ≒ 8.45%。
  • Q. 配当はCAGRに含まれる? A. 価格だけのCAGRには含まれません。配当再投資込みのトータルリターンCAGRで比較しましょう。
  • Q. CAGRだけで投資判断してよい? A. 推奨しません。ボラティリティ/最大ドローダウン/IRRを併記して立体的に評価しましょう。

まとめ:CAGRは「はじめ〜おわり」を年率に言い直す数字。比較がとにかく簡単になります。計算は POWER(終点/始点, 1/年数)-1。配当は“込み(トータルリターンCAGR)”、期間は公平、ブレは別指標で確認――この3点を押さえればOKです。

コメント

タイトルとURLをコピーしました