最新の「日経連続増配株指数(2025年版)」等を基に、連続増配年数の長い日本株を30社に厳選。単なる年数紹介に留まらず、背景・活用法までまとめて整理しました。
概要
「連続増配」とは、前年より一株配当を毎年増やし続けている状態を指します。
長期の連続増配は、景気循環を跨いでも安定して稼ぎ、適切に内部留保を積み、株主に還元できる体質の証といえます。新NISAで長期・積立・分散が浸透する中、増配の継続力は銘柄選びの強力なシグナルになります。
連続増配年数ランキング(トップ30)
順位 | 銘柄 | コード | 連続増配年数 |
---|---|---|---|
1 | 花王 | 4452 | 35年 |
2 | SPK | 7466 | 27年 |
3 | 三菱HCキャピタル | 8593 | 26年 |
4 | リコーリース | 8566 | 25年 |
5 | ユー・エス・エス | 4732 | 25年 |
6 | 小林製薬 | 4967 | 25年 |
7 | KDDI | 9433 | 23年 |
8 | サンドラッグ | 9989 | 23年 |
9 | 沖縄セルラー電話 | 9436 | 23年 |
10 | リンナイ | 5947 | 23年 |
11 | ユニ・チャーム | 8113 | 23年 |
12 | サンエー | 2659 | 22年 |
13 | 高速 | 7504 | 21年 |
14 | ロート製薬 | 4527 | 21年 |
15 | 栗田工業 | 6370 | 21年 |
16 | ニトリホールディングス | 9843 | 21年 |
17 | パン・パシフィック・インターナショナルHD | 7532 | 21年 |
18 | みずほリース | 8425 | 20年 |
19 | 芙蓉総合リース | 8424 | 20年 |
20 | ハマキョウレックス | 9037 | 19年 |
21 | シークス | 7613 | 18年 |
22 | コムチュア | 3844 | 18年 |
23 | アサヒグループホールディングス | 2502 | 17年 |
24 | キッセイ薬品工業 | 4547 | 17年 |
25 | セントケア・ホールディング | 2374 | 16年 |
26 | 積水樹脂 | 4212 | 16年 |
27 | アイカ工業 | 4206 | 16年 |
28 | SBIグローバルアセットマネジメント | 4765 | 16年 |
29 | ショーボンドホールディングス | 1414 | 16年 |
30 | イー・ギャランティ | 8771 | 16年 |
※同年数内の並びは出所リストの掲示順を踏襲。
事業内容と業界動向(増配が続く理由の共通項)
- 生活必需品・ヘルスケア:ブランド力と価格改定の通りやすさ(花王、ユニ・チャーム、小林製薬、ロート)。
- 通信:解約率の低いサブスク収益(KDDI、沖縄セルラー)。
- リース・与信周辺:分散ポートフォリオと審査規律で利益のボラが低い(三菱HC、リコーリース、みずほ・芙蓉、イー・ギャランティ)。
- 流通・卸・物流:規模・在庫・物流最適化でコツコツ稼ぐ(サンドラッグ、PPIH、高速、ハマキョウ、SPK、シークス)。
SWOT分析(連続増配株というテーマ)
強み
- 長期に耐えるビジネス耐久力の可視化。
- 保有年数に応じて買値基準利回り(YOC)が逓増。
- 指数・ファンドの資金流入で需給の追い風。
弱み
- 年数は過去の結果であり将来の保証ではない。
- 成熟と高配当性向で増配率の鈍化が起きやすい。
- セクター固有の規制・金利・為替影響。
機会
- 資本コスト意識とガバナンス改革の継続。
- 新NISA定着で長期インカム投資マネーの受け皿に。
脅威
- 事故・大型一過性費用・M&A方針転換での連続途切れ。
- 景気後退や金利高止まり時の余力低下。
セクター比較(上位30の色合い)
生活必需品・ヘルスケアの比重が高く、通信が安定層を形成しています。金融周辺(リース・保証)は増配継続年数と増配率のバランスが良好。流通・卸・物流は効率の追求が増配の原資です。
投資家にとってのメリットとリスク
メリット
- 配当の積み上がりが複利的に効く(YOC上昇)。
- ディフェンシブ性と増配によるオフェンス性の両立。
- シンプルなスクリーニング基準で再現性が高い。
リスク
- 連続は免罪符ではない(突発事象で停止も)。
- 「長寿=低成長」化でトータルリターンが伸びない恐れがある。
- 金利・為替・規制などセクター特有の波に注意が必要。
まとめ
- 首位は花王(35年)、次いでSPK(27年)、三菱HCキャピタル(26年)。KDDIやユニ・チャーム、ニトリ、PPIHなど生活インフラ・ブランド力・効率経営の企業が並びます。
- 実務では、指数リストを一次ふるいとして使い、個別の直近増配率・配当性向・FCFをセットで確認するのが王道といえます。
※本記事は投資助言ではありません。最終判断はご自身の責任で行ってください。
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